私の友人は以前夢を語っていました。

大企業に勤めそのままそこにいればエリート街道を突き進めた彼女は6年後、あっさりとその職場を辞めました。彼女の中では悩みながら考え抜いた決断だったと思います。

 

辞めた理由を彼女に聞くと、売れる為のモノづくりに興味がなくなった、自分にしか作ることのできない唯一無二なモノづくりがしたいと言っていました。
その後、彼女は飲食店でアルバイトをしながら夢に向かって突き進んでいました。
壁にぶち当たりながらも必死に走り抜けている彼女が眩しかったのを覚えています。

 

そんな矢先に、彼女は発病しました。再発です。5年以内に発病しなければ完治と言われており、4年半で再発したそうです。後から聞いた話ですが、彼女は大きく落胆し絶望したそうです。ただでさえ大企業の看板を脱ぎ捨て独りで事業を進めていく事の厳しさに心打ち砕かれそうになりながら耐えて頑張っていた、そんな時期に。

 

彼女は病院に行かなかったそうです。再発だから治療をしなければどんなことになるのか重々承知していたはずの彼女がとった行動はのちのち彼女を苦しめました。
夢半ばで諦められなかったのかもしれません。まだ20代だった彼女は事業を一旦ストップさせて健康になってからまた始めるという遠回りができなかったのだと思います。

 

彼女は昔から白か黒かはっきりしているタイプでグレーな部分が一切ない人です。
こだわりが強くて自分を曲げない、芯の通った一本木気質。だから諦めきれず壊れるまで突き進み最悪な所まで落ちてしまったんだと思います。結局1年半病院に行かずほったらかしたそうです。そして日に日に体力が落ちてきて、終いには自分の力で立つことさえできなくなったそうです。仕事もできなくなり、収入もなくなり独立資金を食いつぶす毎日。頭も朦朧としてくる中で、身も心もボロボロになり夢もお金も失った彼女は生きてることが辛かったそうです。

 

でも彼女は底のそのまた底の根っこの部分は腐ってなかったのです。生き様は自分で自由に決められるけど命は好き勝手自由にはできないと。親に授けてもらった命を守るため、彼女はそこから這い上がりました。

 

病気を克服し健康を取り戻せた彼女は、正常な思考が戻ったそうです。でも夢は諦めたと言っていました。あまりにも周りに迷惑をかけすぎたから。心配や迷惑をかけた家族に恩返しをしなければと、彼女は夢を捨てただひたすらアルバイト生活をしてたそうです。来る日も来る日もお金の為だけに働く毎日。健康を取り戻したはずの彼女は欝のような状態になりました。
夢を捨てきれない自分と、夢を実現出来なかった後悔とが入り混じり、白か黒のはじの彼女の色がグレーに染まっていました。

 

そこから4年後、彼女はびっくりするぐらい元気でエネルギッシュになっていました。夢の続きをスタートさせたと連絡がありました。私は嬉しくて嬉しくて泣いてしまいました。お金の為だけに働いていたアルバイト時代は、仕事が終わればすぐ帰宅してテレビをみて寝るの毎日。休みの日は人とも合わずひたすらスマホゲームをしていたそうです。それが、夢をおいかける事を決めた彼女は昔の様に活発で明るくてどんな壁をも乗り越えられそうなたくましい姿になっていました。

 

私は思いました。夢こそが生きる力の源であり、元気になれる一番の薬なんだと。
心が元気だから身体も元気でいたいと思えるんだと。今は休みなく働いていてとても大変そうです。思い通りにいかず苦しい事も沢山あると思いますが彼女なら乗り越えられると信じています。